結婚式という特別な日に、父親がどんな装いで出席するべきか悩むのは、ごく自然なことです。とくに「ダブルスーツ」を検討している方の中には、それがマナーとして適切なのか、他のゲストや新郎新婦とのバランスはどうかといった不安を感じている方も多いでしょう。
本記事では、フォーマルな場にふさわしい装いの基本から、式のスタイルや会場の雰囲気に応じた服装の選び方、さらにはネクタイやスーツの色選びまで、細かなポイントをわかりやすく解説しています。ブラックスーツやダークスーツの使い分け、少人数の式や親族中心の挙式における服装のマナー、ビジネススーツとの違いなどにも丁寧に触れています。
また、スーツを選ぶ際の「見落としがちな注意点」や「モーニングを着用しない場合の工夫」、さらには「ダブルスーツが持つ印象と体型との関係性」など、実践的な内容も網羅。読了後には、自信を持って当日の装いを選べるようになるはずです。
格式を保ちつつも時代に合ったスタイルを目指したい父親世代に向けて、失礼のない、洗練されたスーツスタイルを提案する一冊。そんな内容でお届けします。
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父親が結婚式にダブルスーツを着る際のマナーとTPOの考え方
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モーニングを着用しない場合の代替スタイルと注意点
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ダークスーツやブラックスーツとの使い分けと適切な選び方
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ネクタイやシャツなど小物を含めたフォーマルな装いの整え方
結婚式で父親のダブルスーツは失礼にならない?
- 結婚式で父親はスーツでもマナー違反にならない?
- ダブルスーツは結婚式にふさわしい装いか
- ダークスーツとブラックスーツの使い分け方
- モーニングを着ない父親が注意すべきポイント
- 結婚式で父親がモーニングを着ない選択はアリ?
- 親族のみ・少人数婚での父親の礼服マナーとは
結婚式で父親はスーツでもマナー違反にならない?

結婚式で父親はスーツでもマナー違反にならない?
結論から言えば、結婚式で父親がスーツを着用すること自体は必ずしもマナー違反ではありません。しかし、そこには明確な前提と注意点があります。
本来、結婚式というのは「正礼装(フォーマルウェア)」が基本とされる場です。特に両家の父親は、新郎新婦を支える“ホスト側”としての立場にあり、ゲストよりも格式の高い装いが求められる存在といえます。このため、一般的なホテルや専門式場で挙式・披露宴が行われる場合は、午前~午後であればモーニングコート、夕方以降はタキシードや燕尾服といった正礼装が望ましいとされています。
ただし、すべての式にこの原則が当てはまるわけではありません。次のようなケースでは、スーツでもマナー違反とされることは少なくなっています。
スーツが許容されやすい例:
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会食スタイルの少人数婚(家族のみ・親族のみ)
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カジュアルなレストランウェディングやガーデンウェディング
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沖縄・ハワイなどのリゾート婚
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午後遅くから夜の挙式で、正礼装を避けたい場合
こうした場では、格式に合わせてブラックスーツやディレクターズスーツといった「準礼装」が選ばれることもあります。さらに、リゾート婚であればアロハシャツなどその土地の“正装”が認められるケースもあります。
重要なのは、「両家のバランスを取ること」と「新郎新婦と事前に相談すること」です。例えば、新婦側の父親がモーニングを着用し、新郎側がブラックスーツとなると、ゲストから見てアンバランスな印象を与えてしまうおそれがあります。
このように、スーツを選ぶ場合は「式のスタイル」「会場の格式」「時間帯」「両家の服装の格合わせ」などを慎重に検討し、必要であれば会場スタッフや衣裳レンタル業者にも相談して最適な判断を行うことが求められます。
ダブルスーツは結婚式にふさわしい装いか

ダブルスーツは結婚式にふさわしい装いか
結婚式においてダブルスーツは、形式によっては十分にふさわしい装いとされています。特に親族代表である父親が着用する場合、適切なデザインとマナーを押さえれば、重厚感と風格を演出できる選択肢のひとつです。
まず、ダブルスーツはその構造上、上着の前身頃が二重に重なっているため、シングルスーツに比べて威厳や格式を感じさせやすい特徴があります。このため、主賓やホスト側に立つ父親には適したスタイルともいえるのです。特に40代後半〜60代の男性であれば、身体に厚みや貫禄が出てくるため、ダブルスーツが体型に合いやすくなります。
ただし、注意点もあります。スーツの色は黒、チャコールグレー、濃紺といったダークカラーが基本です。光沢のあるシャドーストライプやピンストライプ程度であればフォーマルな印象を損ねませんが、ラメ入りや明るい色調は結婚式では避けましょう。また、上下セットのスーツであることが原則です。ジャケパンスタイルはフォーマル度が下がるため、父親の立場ではNGです。
さらに、装飾の少ないピークドラペルのデザインや、上質なウール素材を選ぶことで、クラシックで品格ある印象に仕上がります。ポケットチーフやネクタイの素材もシルクなど光沢のあるものを選び、コーディネートに統一感を持たせることが大切です。
結果として、ダブルスーツは結婚式でも適切な条件を満たせば問題ありません。大切なのは「格式」と「両家のバランス」に配慮した上で選ぶことです。
ダークスーツとブラックスーツの使い分け方

ダークスーツとブラックスーツの使い分け方
ダークスーツとブラックスーツは見た目が似ているため混同されがちですが、結婚式では明確に使い分けるべき装いです。
まず、ブラックスーツは「略礼装」として位置づけられており、冠婚葬祭すべてに対応できるフォーマルなスーツです。特に礼服専用に作られたブラックスーツは、ビジネススーツよりも黒の染色が濃く、「漆黒」とも言われるほど深みがあります。このため、格式高い結婚式や親族の中心人物が着用するには適しています。
一方、ダークスーツは、濃紺・ダークグレー・チャコールなどの色味を指し、光沢のある生地やさりげない織り柄が入っていることも多いため、ややカジュアルな印象を与える傾向があります。友人や同僚として参列するゲストには適していますが、父親としての立場で着用する際は会場や時間帯による判断が必要です。
使い分けのポイントは以下の通りです:
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格式の高いホテル婚や教会式:ブラックスーツが無難(可能ならモーニング)
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レストラン婚やガーデン婚などカジュアル寄りの式:ダークスーツでも許容範囲
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親族の立場での出席:両家の服装の「格」を揃えることが最優先
さらに、ダークスーツを選ぶ場合でも、ネクタイは白やシルバー系、ポケットチーフは白無地などでフォーマル感を高めることが重要です。事前に新郎新婦や会場スタッフと相談し、全体のバランスを見ながら判断することが成功の鍵となります。
モーニングを着ない父親が注意すべきポイント

モーニングを着ない父親が注意すべきポイント
結婚式で父親がモーニングを着ない選択をする場合、装いにおける“格下げ感”が出ないよう、細心の注意が求められます。モーニングは昼間の正礼装であり、通常は午前から午後5~6時までの挙式で父親が着用する最上位の礼装です。その代替としてスーツを選ぶ場合でも、ただのビジネススーツでは不十分です。
特に注意すべきポイントは以下の通りです。
1. スーツの種類と仕様
モーニングの代わりとして選ぶなら、「ブラックスーツ(礼服)」または「ディレクターズスーツ」が望ましいです。無地の深い黒、サテンのないマットな質感が基本で、スーツ上下は必ず共生地で揃える必要があります。
2. スリーピースで格を補う
ジャケット・パンツ・ベストの3点で構成されるスリーピーススタイルを取り入れることで、フォーマル度を高められます。ベストの色はグレーやシルバーが無難ですが、式の雰囲気に応じて白や淡いブルーも選択肢に入ります。
3. 小物の格式でフォロー
ネクタイは白かシルバーの無地、または極めて控えめな織り柄入りを選びます。ポケットチーフは白のリネン素材をTVホールドやスリーピークスで折ると上品です。靴は黒のストレートチップ(内羽根式)を選び、カフリンクスやネクタイピンで品格を加えましょう。
4. 両家のバランスに配慮
どれだけ完璧に装っても、相手側の父親がモーニングであれば「格」が揃わず、写真や挨拶時に違和感が出てしまいます。新郎新婦を介し、事前に両家の衣装方針を確認し調整することが大切です。
このように、モーニングを避ける際は、見た目の印象だけでなく、立場と場に応じた格の維持に重点を置いて装いを構成する必要があります。
結婚式で父親がモーニングを着ない選択はアリ?

結婚式で父親がモーニングを着ない選択はアリ?
結婚式で父親がモーニングを着用しないという選択は「アリ」です。ただし、それにはいくつかの条件と配慮が必要になります。
モーニングは本来、午前~午後5時頃までの結婚式における男性の正礼装とされており、最も格式が高い服装です。特にホテルや神殿など、格式のある式場では今なお主流とされています。
しかし近年は、結婚式の多様化やゲスト構成の変化により、モーニング以外の装いを選ぶ父親も増えています。具体的には以下のようなケースが該当します。
1. 親族中心の少人数婚やレストランウェディング
家族婚やカジュアルなレストランでの挙式では、モーニングよりもブラックスーツやディレクターズスーツが一般的になりつつあります。例えば、10〜30名規模のアットホームな式では、過度なフォーマル感が逆に浮くこともあります。
2. 新郎新婦の衣装とのバランス
新郎がタキシードではなくスーツ、新婦がカジュアルなドレスを選んだ場合、父親が一人だけモーニングを着ていると、全体のバランスが崩れてしまう可能性があります。このため、衣装の「格」をそろえることが最も重要です。
3. 地域の習慣や世代の考え方
地域によってはモーニング着用が一般的でないエリアも存在します。また、親世代によっては「着慣れないモーニングより、きちんとしたスーツで」と考える方もいます。こうした背景も考慮し、服装選びを行うことが大切です。
いずれにしても、モーニングを着用しない場合は「格下げ」に見えないよう、ネクタイ・ベスト・チーフ・靴まで含めてフォーマルに統一することが求められます。装いの選択に迷う場合は、事前に式場スタッフや新郎新婦と相談するのが安心です。
親族のみ・少人数婚での父親の礼服マナーとは

親族のみ・少人数婚での父親の礼服マナーとは
親族だけで執り行う少人数婚では、形式よりも温かさや自然体を重視する傾向があります。しかし、父親という立場上、礼服の選び方には依然として一定の配慮が求められます。ポイントは「式の格」「両家のバランス」「装い全体の完成度」です。
会場とスタイルに合わせた選択を
例えば、ゲスト数が10〜30人程度の家族婚であっても、ホテルや専門式場など格式ある場所では、モーニングコートが基本とされるケースがあります。一方、レストランやゲストハウスでの挙式では、ブラックスーツやディレクターズスーツといった準礼装も選択肢として妥当です。夜の挙式であれば、タキシードを視野に入れることも可能です。
両家の「格」は必ず揃える
もっとも重要なのは、両家の服装の格を合わせることです。片方の父親がモーニングを着ているのに、もう一方がビジネススーツでは、写真映えはもちろん、ゲストからの印象にも差が出てしまいます。これは“格の不一致”と呼ばれ、式全体の調和を乱す要因になりかねません。したがって、両家で事前にドレスコードをすり合わせることが不可欠です。
フォーマル感は小物で調整可能
仮にモーニングを避けてスーツを選ぶ場合でも、ベストや白無地のシャツ、シルバーグレーのネクタイ、光沢を抑えた黒のストレートチップシューズなどを合わせることで、フォーマルな印象を保てます。ポケットチーフやカフリンクスなど、細部の演出も忘れずに。
親族婚は自由度が高い反面、細かな気遣いが印象を左右します。新郎新婦と相談し、格と心の両方がそろった装いを心がけましょう。
結婚式で父親がダブルスーツを上品に着こなすには
- 結婚式でダブルスーツはマナー違反ですか?
- ダブルのスーツは時代遅れ?現代の評価と選び方
- ダブルスーツが似合う人の特徴と体型の関係
- 結婚式で選ぶべきは礼服?スーツ?迷ったときの基準
- 父親のスーツに合うネクタイの色と選び方
- ネイビースーツは結婚式でNG?色選びの注意点
- ダブルスーツとビジネスマナーとの違い
- 結婚式で避けたいダブルスーツのNGコーディネート
結婚式でダブルスーツはマナー違反ですか?

結婚式でダブルスーツはマナー違反ですか?
結婚式で父親がダブルスーツを着用すること自体はマナー違反ではありません。ただし、どのようなダブルスーツを、どのように着こなすかによって評価は大きく変わります。形式ばった場では、ほんの少しの油断が「場違いな印象」につながるため、注意が必要です。
格式のある式場では要注意
特にホテルや専門式場など格式高い会場では、昼間であればモーニングコート、夕方以降であればタキシードや燕尾服が正式な正礼装とされています。そのため、あえてダブルスーツを選ぶ場合には、ブラックフォーマルに準じた仕様に整えることが必要です。
色は「チャコールグレー」や「ダークネイビー」ではなく、黒に限りなく近い深い色味を。素材も艶のあるウールやモヘア混のものではなく、光沢を抑えたフォーマル仕様の生地を選ぶべきです。
小物と全体の調和が鍵
さらに、白無地シャツ(レギュラーカラーまたはワイドスプレッド)とシルバー系ネクタイ、白のポケットチーフを合わせることでフォーマル感を補強できます。カフリンクスや内羽根のストレートチップシューズなども合わせると、礼装に近い印象を与えることができます。
両家での服装のバランスも確認
最後に忘れてはならないのが「両家の格合わせ」です。新婦側の父親がモーニングを着用している場面で、自身だけがダブルスーツというのは浮いてしまうリスクがあります。事前に新郎新婦を通して相手方とも服装をすり合わせておくことが大前提となります。
ダブルのスーツは時代遅れ?現代の評価と選び方

ダブルのスーツは時代遅れ?現代の評価と選び方
「ダブルスーツは時代遅れ」との印象は、1990年代のバブル崩壊以降、ビジネススーツのトレンドが細身でシンプルなシングルスーツへ移行したことで強まりました。しかし現在、世界的なクラシック回帰の流れにより、ダブルスーツはむしろ“洗練された大人の装い”として再注目されています。
特に40代〜60代の男性には、ダブルスーツが持つ構築的なシルエットが体型を引き締め、自然な貫禄と品格を与えるため、父親の結婚式衣装としてふさわしい選択肢となり得ます。
選び方のポイントは以下の3つです。
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フィット感のあるシルエット
現代のダブルスーツは、昔のように肩パッドが強調されていません。肩幅は体に沿うナチュラルショルダー、ウエストは程よくシェイプされたラインが基本。オーバーサイズではなく、体のラインを引き立てるフィット感が重要です。 -
ボタンの配置
伝統的な6つボタン2つ掛け(6B)は最もフォーマルですが、少しカジュアルな印象の4Bやダブルブレストでも、礼装向けとして成立します。用途に応じて選びましょう。 -
生地と色の選定
式典に着用する場合は、無地のブラックまたは濃紺、チャコールグレーが適切です。素材はウール100%で、光沢を抑えたマットな質感が望ましいでしょう。
なお、百貨店でのオーダースーツは平均価格が8万円〜15万円ほど。既製品でも3万円台から品質の良いものが見つかります。見た目と印象に直結する装いであるため、可能であればサイズの合ったオーダーメイドを選ぶことをおすすめします。
ダブルスーツが似合う人の特徴と体型の関係

ダブルスーツが似合う人の特徴と体型の関係
ダブルスーツは構築的なデザインと存在感のあるラペル(襟)が特徴で、体型によって印象が大きく変わります。
特に相性が良いのは、身長170cm以上・肩幅45cm以上の中肉中背〜がっしり体型の男性です。この体型であれば、ダブルの広い前合わせやピークドラペルが上半身を立体的に見せ、威厳あるスタイルを自然に演出します。
一方、やせ型や小柄な体型の場合は、着こなしに工夫が求められます。具体的には以下のような点に注意すると良いでしょう。
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ラペルの幅:広すぎると体型とのバランスが崩れるため、細め(7cm前後)を選ぶとすっきり見えます。
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ボタンの位置:高めに設定することで脚長効果が生まれ、全体のバランスが向上します。
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ウエストライン:絞りのあるカッティングを選ぶと、スタイルアップが可能です。
また、体型に自信がない場合には、既製品よりもパターンオーダーやフルオーダーを検討するのも一手です。国内のパターンオーダーなら5万円〜、フルオーダーであれば10万円以上が相場ですが、体型に最もフィットした一着を手に入れられます。
最終的に大切なのは、自分の体型を活かしたサイズ感とシルエットの選定です。見た目の美しさだけでなく、着心地や立ち振る舞いの印象にも影響するため、試着は必ず行いましょう。
結婚式で選ぶべきは礼服?スーツ?迷ったときの基準

結婚式で選ぶべきは礼服?スーツ?迷ったときの基準
父親の装いを選ぶ際、判断材料として重視すべきは「会場の格」「挙式の時間帯」「新郎新婦のドレスコード」の3点です。この3要素が揃えば、礼服かスーツかの最適な選択が可能になります。
会場の格と時間帯
例えば、帝国ホテルやホテルオークラのような一流会場で、午前中の挙式(〜15時開始)であれば、最も格式が高いモーニングコートが基本です。これは「昼の正礼装」として、迎える側である父親にふさわしい装いとされています。
一方、17時以降に始まる夜の結婚式では、タキシードが正礼装となりますが、国内では父親にそこまでの正装が求められないケースも多いため、**ブラックスーツ(略礼服)**やディレクターズスーツで代用されることもあります。
新郎新婦とのバランス
新郎がカジュアル寄りなスーツであれば、父親がモーニングで格を上げすぎると不自然になる可能性もあります。そのため、両家で服装の格をそろえることが最も重要です。事前に相談し、親子間でのバランス調整を行うことで、違和感のないフォーマル感を保つことができます。
いずれの場合も、スーツを選ぶ際はスリーピース仕様・ダークカラー・上質な素材を意識することで、十分な品格を演出できます。
父親のスーツに合うネクタイの色と選び方

父親のスーツに合うネクタイの色と選び方
結婚式において父親の装いを完成させるうえで、ネクタイは単なるアクセントではなく、全体の印象を左右する“格”の決め手とも言えます。特にスーツスタイルを選んだ場合、ネクタイの色とデザインには細心の注意が必要です。
基本は白またはシルバーグレー
最も格式高く無難なのは、白の無地タイやシルバーグレーの織柄タイです。これらは正礼装とされるモーニングコートにも合わせられる色であり、礼装用ネクタイとしてフォーマル度が非常に高いのが特徴です。特にシルバーグレーは落ち着きがあり、父親らしい品格を演出できます。
色柄を選ぶ際のポイント
少人数婚やカジュアルな会場では、淡いブルーやパステルピンクなども選択肢に入ります。ただし、目立ちすぎず、派手にならないトーンを心がけましょう。柄については、無地に近い細かなドットや控えめなストライプがベターです。幅広のレジメンタル柄やキャラクター系のプリントは避けてください。
NGなネクタイと小物の調和
避けるべきは黒のネクタイで、これは弔事用とされているため、慶事の場には不適切です。また、ネクタイピンやポケットチーフとのバランスも重要で、すべてをシルバー系で統一すると洗練された印象を与えることができます。ネクタイひとつで父親の印象は大きく変わるため、慎重な選定が求められます。
ネイビースーツは結婚式でNG?色選びの注意点

ネイビースーツは結婚式でNG?色選びの注意点
ネイビースーツは、結婚式において必ずしもNGではありません。しかし、父親としての立場で着用する場合には、色のトーンや素材、スタイリングに十分な配慮が求められます。
まず最も重要なのは、「明るすぎるネイビー」は避けることです。特にライトネイビーや青みが強いブルー系のスーツは、写真映えしやすく目立つため、新郎新婦よりも目立ってしまう懸念があります。父親が選ぶべきは、黒に近い深い紺色=ダークネイビー。この色味であれば、落ち着きと品格を保ちつつ、フォーマルな場にも適応できます。
また、素材の選定も重要です。ウール100%のマットな質感を持つ生地が理想で、光沢感のあるポリエステル混やシャイニー素材は、ビジネスやパーティーの印象が強くなるため不向きです。
ネクタイやポケットチーフの工夫も大切です。白やシルバーグレー系のネクタイを合わせることで、フォーマル度を高め、ビジネススーツとの差別化を図れます。ポケットチーフにはリネン素材の白を使用し、折り方もTVフォールドのような控えめな形にすると好印象です。
このように、ネイビースーツを選ぶ際は「色の深さ」「素材感」「小物の格」を意識することで、父親としてふさわしい着こなしが実現できます。
ダブルスーツとビジネスマナーとの違い

ダブルスーツとビジネスマナーとの違い
ダブルスーツは本来、格式や重厚感を演出するために用いられるスタイルであり、ビジネスでもフォーマルな印象を与える装いとして定着しています。しかし、結婚式という儀礼的な場では、ビジネスマナーとは異なる視点からの「礼装マナー」を意識したスタイリングが必要です。
まず、色の選び方が大きく異なります。ビジネスではライトグレーやブルーグレー、ネイビーといった柔らかなトーンが好まれますが、結婚式ではブラック(黒無地)やダークネイビーなど、より深みのある色が基本です。明るい色合いはカジュアルに見えてしまい、父親としての重みが損なわれる可能性があります。
次に、シャツや小物の使い方にも違いがあります。結婚式では白無地のドレスシャツが基本で、カフリンクス付きのダブルカフスを採用することで、よりフォーマルな印象に仕上がります。また、タイは白やシルバーグレーの無地を選び、ネクタイピンやポケットチーフも白系で統一するとバランスが取れます。
このように、ビジネス向けのダブルスーツをそのまま結婚式に流用すると「仕事着感」が出てしまいます。フォーマルな印象を演出するには、素材感・色味・小物の選び方を見直し、場にふさわしい調整を行うことが重要です。
結婚式で避けたいダブルスーツのNGコーディネート

結婚式で避けたいダブルスーツのNGコーディネート
結婚式においてダブルスーツを選ぶ場合、最も注意すべき点は「場違いな装い」にならないことです。ダブルスーツ自体はフォーマル度の高い装いですが、コーディネート次第で印象を大きく損なう恐れがあります。
まず避けたいのが「上下別素材・別色」のセットアップ風コーディネートです。上下で生地の質感や色味が異なると、統一感に欠け、礼装としての品格を損ないます。必ず同素材・同色のスーツ上下を着用しましょう。
また、ネクタイは白またはシルバーグレーの無地が基本です。レジメンタルストライプや原色系、キャラクター柄などはビジネスやカジュアル感が強く、場にふさわしくありません。加えて、**パンツ丈が短すぎる(くるぶし丈)**のは近年流行していますが、礼装としては不適切です。裾はシングル仕上げで、靴の甲に軽く乗る程度が理想です。
靴は必ず黒の内羽根式ストレートチップを選び、スニーカーやローファーはNG。シャツはレギュラーカラーの白無地が基本で、ボタンダウンはカジュアルすぎるため避けましょう。
さらに、ポケットチーフは白リネンのTVフォールドがベスト。過剰なカラーや派手な折り方は控え、全体として「品格」「統一感」「控えめな華やかさ」を意識することが、父親としてふさわしい装いにつながります。
「結婚式で父親が着るダブルスーツの正しい選び方とマナー」に関する総括
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父親が結婚式でスーツを着ること自体はマナー違反ではない
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ダブルスーツは重厚感があり父親の装いとしてふさわしい
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会場の格式や式の時間帯によって礼装の選び方が変わる
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モーニングを着ない場合はスーツの格を上げて対応する
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ブラックスーツは略礼装として最も無難な選択肢
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ダークスーツはカジュアル寄りで会場に応じた選択が必要
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両家の服装の格を揃えることが最も重要なマナー
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ダブルスーツには共生地の上下セットを選ぶべき
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ベストを加えたスリーピースでフォーマル度を高められる
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ネクタイは白やシルバーグレーで礼装としての品格を保つ
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ダークネイビーのスーツは父親の装いとして適している
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ボタンダウンシャツや派手なチーフは避けるべき
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ダブルスーツが似合うのはがっしり体型や中肉中背の男性
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フォーマル仕様のダブルスーツにはマットなウール生地が望ましい
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ビジネス用のスーツをそのまま使うのは礼装として不十分